まどさん 100才100詩集
題: 水道のせん まど・みちお著 水道のせんをひねると 水が出る 水道のせんさえあれば いつ どんなところでも きれいな水が出るものだというように とおい谷間の取入れ口も 山のむこうの浄水場も 山の上の配水池も こ …
題: 水道のせん まど・みちお著 水道のせんをひねると 水が出る 水道のせんさえあれば いつ どんなところでも きれいな水が出るものだというように とおい谷間の取入れ口も 山のむこうの浄水場も 山の上の配水池も こ …
題: おみやげ なんだか 足が軽いと思ったら さっき電車の中で 知らないよその赤ちゃんが 笑いかけたのだった わたしを見て 嬉しくてたまらないように その笑い顔を いつのまにか 胸にかかえていて それで 夜道の足も …
題: 昨日はどこにもありません 三好 達治 昨日はどこにもありません あちらの箪笥の抽出しにも こちらの机の抽出にも 昨日はどこにもありません それは昨日の写真でしょうか そこにあなたの立っている そこにあ …
題: 父に 江國 香織 病院という 白い四角いとうふみたいな場所で あなたのいのちがすこしづつ削られていくあいだ わたしはおとこの腕の中にいました たとえばあなたの湯呑みはここにあるのに あなたはどこにも …
題: なにもそうかたを・・・・ 高橋 元吉 なにもそうかたをつけたがらなくてもいいではないか なにか得態の知れないものがあり なんということなしにひとりでにそうなってしまう ということでいいではないか 咲いた …
題: せみ 木村 信子薯 せみは たった一週間の命のために 永い年月、土の中で暮らさなければはらない というけれど 土の中の年月こそ せみの本当の命のよろこびかもしれない 地上のよろこび、なんて思うのは 人間のか …