100.000年後の安全

私たちは10万年後の遠い未来の子孫に確実なメッセージを伝達出来るのか?。

SF小説の題材ではない。高レベルの放射性廃棄物を世界で始めて最終処分するための施設・オンカロを建設中のフインランドで、真剣に論議されている課題だ。

 

原子力発電所からでる放射性廃棄物が人体に影響を及ぼさなくなるには長い年月が必要になる。

フインランドではそれを地下深く埋蔵する決定が下された。

18億年前の地層にある岩盤を掘り進めた地下500メートルに、巨大施設を建造し放射性物質を運び込む。

廃棄物が満杯になる22世紀に、施設は完全に密封され、決して立ち入ることのないよ封鎖される。

その後10万年間、人による管理も不要にして隔絶する。

オカロンとはフインランド語で『隠れ場所』を意味する

 

果たして10万年の間、この場所が人間にとって危険であることを伝え続けられるのか。

誰も明確に答えられない課題を持つオカロン。

この施設を描いたフインランドのドキュメンタリー映画合『100,000年後の安全』が各地で公開され話題を呼んでいる。

ちなみに今から約10万年前は、現代人の祖先といわれるホモ・サピエンスがアフリカ大陸に誕生した頃と考えられている。

                              環境市況新聞 2011 夏期号  環境見聞から抜粋