現代学生百人一首     撰者 東洋大学

東洋大学から届く『現代学生百人一首』が今年で25回になる。 繊細に、粗削りに、過ぎゆく青春を三十一文字にとどめた応募は累計で100万首を超える・・。 朝日新聞 天声人語から抜粋

 

機械科で男の中に女子一人 それを覚悟で目指す夢あり   山口県 高1 水津梨亜奈さん

駆け寄られ『せんせい、あのね』と言われたら さらに高まる保育士への夢   愛知県 高3 曽山真帆さん

被災地となった故郷を前にして 震える母の肩を支える    高2 辻本有紀さん

顔知らぬ名前も知らぬ人達に 生きてほしいと願った三月   高2 門脇優衣さん

夏空に白くたなびくバスタオル 遥かに見える雲と重なる    高3 高橋太郎さん

飲みかけのラムネのビンを傾けるガラスの中で 揺れる青空  高1 山内志織さん

いつの間に大人と呼ばれる歳になり あたしはあたしに置いていかれる  大学2 結城舞子さん

『おかん おれ』意味なく電話してしまい テレカが尽きる寮のおきまり  高2 小宮山智

会えるかな淡い期待をそっと抱き あの道今日も遠回りする   高3 十川栞

雨を行く新幹線の窓ガラス走れ走れ雨つぶねずみ  小5 小林真夕