日本一短い 「母」 への手紙 一筆啓上 福井県丸岡町
お母さん、雪の降る夜に私を生んで下さってありがとう。 もうすぐ雪ですね。
あと10分で着きます。手紙よりさきにつくと思います。あとで読んで笑ってください。
「私、母親似でブス。」娘が笑って言うの。私、同じ事泣いて言ったのに。 ごめんねお母さん。
桔梗が、ポンと音をたてて咲きました。日傘をさした母さんを、思い出します。
母親の 野太い指の味がする ささがきごぼう 噛まずに飲み込む
絹さやの筋をとっていたら 無性に母に会いくなった。 母さんどうしていますか。
母さんのおならをした後の 「どうもあらへん」 という言葉が 私の今の支えです。
お母さん、ぼくの机のひき出しの中にできた湖を のぞかないで下さい。
お母さん、私は大きくなったら家にいる。 「お帰り」 と言って子供と遊んでやるんだよ。
お母さん、もういいよ。病院から、お父さん連れて帰ろう。 二人とも死んだら、いや。
あの人と幸せでしょうか、お母さん。父さんは、無口を通して逝きました。
今でも弟の方が気になるかい。もうどちらでもいいけど。 今はもういいけど。
離婚、賛成します。お母さん、今まで本当にありがとう。 もう、耐えないで!
弘君のまねして お母さん と呼んでみた やっぱりダメだ かあちゃんが遠くなる
荷物届きました。 でも「パンツ」とは「ズボン」の事ですよ。ガマンします。
母さんいきていて! 私は古稀 命ある限り探します。現世で一目逢いたい。
かあちゃん。 泣きたい夜は、決まって母ちゃんが夢に出てくる。 背中を、押してくれる。
若い日あなたに死ねと言った、あの日のわたしを殺したい。
修学旅行を見送る私に「ごめんな」とうつむいた母さん、あの時、僕平気だったんだよ。
